タックル

初めてのワインド釣法!タックルとポイントを解説!

夏頃から秋にかけて釣りのハイシーズンを迎えます。
タチウオが釣れる時期になると至る所で聞こえてくるのが『ワインド』もしくは『ワインド釣法』です。

ワインド=タチウオと言われるぐらい爆発的な勢いで人気が広がり、その理由としてエサを使う必要がなく、ルアーフィッシングのように楽しむことができるからです。

ワインドとは、竿をしゃくることでワームをダート(右に左に不規則にルアーやワームが動くこと)させ、小魚が逃げ惑う姿を演出し反射的に口を使わせる釣り方です。
タチウオをはじめとするフィッシュイーターが反射的に捕食することをリアクションバイト、あるいは捕食スイッチを入れるとも呼びます。

ワインドは夜中でも釣ることができますが、朝まずめや夕まずめ(日の出や日没の1時間前後の魚の活性が高い時間帯)などタチウオの活性が高いときに特に有効な釣り方です。
初めてワインドに挑戦してみたい、タックルを知りたい、方法を知りたいという方に向けて解説していくので、参考にしてください!

ナギ
ナギ
ワインドで掛けたときの感覚は病み付き!

ワインド釣法のタックル

これがタックルの全体像です。
お手持ちのタックルで代用できるものもあると思うので、それぞれ解説していきます。

ロッド

ワインドでは、長時間ロッドをしゃくり続けることが必須の釣り方になります。
そのためロッド自体の軽さが体へかかる負担の大きさと比例してくるので、軽めでしっかりダートさせれるワインド専用ロッドが長時間の釣行でも負担が少なくベスト。

もしくは、シーバスロッド、ライトショアジギングロッドが代用として使うことができます。
それぞれのメリットとデメリットを挙げてみると・・・

ワインド専用ロッド

  • ロッドの長さ、硬さ、軽さなど全てにおいてワインド向けに設計されているため、長時間しゃくり続けることができ、タチウオの時合を見逃さない。
  • サイズや場所によってはタモを使わないといけないことがあり、せっかくの時合を効率よく使うことができない。

シーバス、ライトショアジギングロッド

  • 長い、重い、硬いなど長時間しゃくり続けるには体力と根性が必要になり、休憩してるうちにタチウオの群れが通り過ぎてしまう恐れがある。
  • 海面から高い堤防でも、問題なく抜き上げることができる。

メリットで言えばお互いが対照的な存在になりますが釣果をのばすためには、ロッドを諦めずにしゃくり続けることができるかどうか?これが一番だと思います。
どこでも釣れるタイプの魚であれば気にしないのですが、タチウオは回遊魚です。
いつ回遊してくるのか分からない以上、誘い続けるしか方法はありません。

なので、疲れにくく長時間しゃくれるワインド専用ロッドがベストと言えます。
僕のように極力少ないロッドで釣りたい!という場合には、もちろん代用は可能です。




ワインド入門にコストパフォーマンスに優れたロッドを選びました。

これからワインドでゲーム性を楽しみながらがっつり釣っていきたい!という方には、ワインド専用ロッド。

ワインドもするけどジギングやシーバスなどの他の釣りも楽しみたい!という方には、シーバス・ライトショアジギングロッドがオススメ。

僕は4番目に紹介しているメジャークラフトのライトショアジギングロッドで、ワインドをしています。
今まで何本も釣りあげていますが、このロッドで長時間しゃくり続けるとなると途中で休憩を挟まないとなかなかしんどい・・・。

専用で作られているロッドは、やはりそれだけの意味があるということを実感しました。
ワインドをするなら専用ロッドの方が良いですが、懐事情と好みで選んでください!

 

リール

タチウオは、青物(ハマチやサゴシなど)と違いそこまでパワフルな引きはないので、3000番のPE1号を200mほど巻けるもので大丈夫です。
また、リールには番手の後ろにPG(パワーギア)、HG(ハイギア)、XH(エクストラハイギア)という表記がよく見られます。

簡単にそれらの特徴を説明すると、ハンドルを1回転させたときに巻き上げれるラインの長さです。
名前から何となく予想できると思いますが、PGが一番巻き上げ量が短く、HGが中間、XHが一番長くなっています。

それによって何が変わるのかと言うと・・・

PG

  • 巻き上げれる量が短い分、パワーがあり軽く巻くことができるため、引き抵抗のあるルアーを操作しやすい。
  • 巻いても少ししか巻き上げれないため、魚にルアーと見切られやすく、ルアーの回収に時間がかかる。
  • 潮の流れや魚がちょっかいをかけてきたときなど、力が強いので気付ける情報が少なくなる。
  • 向いている釣り:船での大物狙い、泳がせなど動かす必要のない釣り方

HG(XHは、下記特徴がより強く出ると思ってください。)

  • 巻いたときにより長く巻けるため、素早くルアーを動かすことができ魚に見切られにくく、ルアーの回収も早い。
  • 潮の流れや魚が接触したときなど、少しの変化が手元に伝わりやすい。
  • 巻き上げれる量が長い分、パワーが少なくハンドルを回すのが重く感じることがある。
  • 向いている釣り:ルアー釣り、ラインを素早く回収する必要がある釣り方

となるので、ルアー釣りであるワインドではHGがベストです。




手頃な価格設定ながらも防水性や耐久性に優れたワインドをはじめとする様々な釣りに対応できる入門用リールです。
さらに、性能の向上した愛用しているリールもご紹介します。
3000番より一回り大きくなりますが、そこまで重さもなく対青物でも使えるので幅広く使いたい方にオススメです!

ライン

ラインは、PE0.8か1号で十分です。
PEには4本編みと8本編みが主流で、4本編みは太めのラインで編んでいるため8本編みより対摩耗性が強いが若干太めになってしまうため飛距離が落ちます。

8本編みは、その逆。
細いラインで編んでいるため、4本編みよりも細く対摩耗性が劣るが飛距離が伸びます。
4本に比べ生産にコストがかかるため、価格は8本編みの方が高いです。


僕は、より飛距離の出やすい8本編みを愛用しています。
コストや使い心地が変わってくるので、まずは4本編みから使うなど色々試してみて自分に合うラインを探すのもありですね!

そして、PEを使うときは必ずといっていいほどリーダー(ショックリーダー)と呼ばれるものを結束します。
PEラインは、根ズレ(テトラポットなどの障害物にラインが擦れること)してしまうと一瞬で切れてしまうため、根ズレ対策としてリーダーを使います。

ここでポイントがあるので、まずこちらを見てください。

基本的には、PEラインの強度と同じか少し弱いぐらいのリーダーを結束します。

理由としては根掛かりしてしまったときに、リーダーの部分が切れてほしいからです。
PEとリーダーの結束として大半の人が強度を出すために『FGノット』(結束部は強度が落ちるが最大80%の強度を出せる)と呼ばれる結び方をしていますが、この結び方は時間がかかります。

朝一の釣れるタイミングでPEや結束部で切れてしまった場合、また結束しなおす必要が出てしまいせっかくの時合を逃してしまう恐れが出てくるからです。
ラインの痛み具合によってPEから、結束部から切れたりするので、絶対にリーダーで切れるようにするのは難しいですが、少しでも可能性は上げた方が釣果に繋がります。

テトラ帯など障害物があって根ズレしやすい場所、タチウオやサゴシなど牙が鋭い魚を狙うときは、切れにくいように太めのリーダーを使う場合もあるので、参考にしてください。

お店でラインを見るときに、号数だけ記載されててLb(1ポンド:450g)が分からないときがあるので、ざっくりですが僕は以下の計算を目安にしています。

PEライン:号数×20=Lb
例)PE1号×20=20Lb×0.45kg=9kg
ナイロン、フロロカーボン:号数×4=Lb
例)フロロ4号×4=16Lb×0.45kg=7.2kg

ワイヤーリーダー

牙の鋭いタチウオは捕食が下手と言われており、ワームではなくラインに噛みついてしまい切られることがよくあります。別名:タチウオカッター。
そんなときの対策としてあるのがワイヤーリーダーです。


ワイヤーを付けると切られることはなくなりますが、ラインと比べワイヤーが重くなりワームのアクションが悪くなるため食いが良くない、と言われます。
ワイヤー有りでも問題なく釣れたので、僕はその日の気分によって使ったり使わなかったりです。

ワームのロストを避けたい人は付ける、少しでも食いを良くしたい人は付けない、を好みで選べばいいと思います!
ワイヤーを付けないときは、スムーズに仕掛けを変更できるようにスナップを付けてください。

ワインド仕掛け

ワインドの仕掛けでは、3つのパーツの組み合わせから成り立ちます。


ベースとなるのが、ジグヘッドです。
矢じりの形をしているのでロッドをしゃくったときに、左右にダートしてくれます。
その中でも低価格で十分な性能を発揮してくれるメジャークラフトを愛用。

このジグヘッドは超夜光タイプなので、しっかり光って存在感をアピールしてくれて動きも文句ありません。
重さの種類も豊富なためロッドの強さや体への負担で選べるのも高評価です。


ジグヘッドに取り付けるワームです。
ワインドでは、ピンテールというスマートな形をしているものを使います。
柔らかい素材でできておりタチウオの牙によってワームがすぐにズタボロにされてしまうので、予備は持っておくべきです。

このワームも夜光タイプになっており、ジグヘッド取り付け穴のすぐ下に発光体を入れる穴もあるためケミホタル25も忘れずに!
朝夕まずめのような少し薄暗い時間にはピンク、夜中はノーマルと使い分けがオススメです。



ワインドに必須なアシストフックです。
釣りあげたタチウオを見ると、全てと言っていいほどアシストフックにかかっています。
フッキング率を少しでも上げて釣果をのばすには絶対に付けてください!


アシストフックの付け方は、3ステップで説明します。

ステップ①

ジグヘッドを床や地面など平らなところに置いたとき、リングが捻じれずまっすぐになっている状態で上方向を向いているフックがあります。
それにアシストフックのズレ防止部真ん中を貫通させてください。
この時、ジグヘッドフック2本のようにアシストフックも下方向になるように取り付けします。(計4本が下方向にあればOK!)

ステップ②

ワームは魚のウロコが描かれた三角形の形をしていて、下方向になる面はツルツルになっているので初めて見た人でも分かるようになっています。
上側から、ジグヘッド取り付け穴とケミホタル25挿入穴と並んでいるので、ケミホタルを発光させてからねじ込んだらステップ②は終わりです。

ステップ③

ジグヘッドに付いている棒をワームに挿し込んだ後に、アシストフックが付いているフックをケミホタルに気を付けながらワームに刺せばセッティングOKです。
この時に、ワームがズレて取り付けされていないかを確認してください。

 

初めてのワインドのポイント

これでタックルの準備は終わったので、いよいよ実釣です。
僕がいつも行う流れでポイントを説明していきます!

 

ワームがずれていないか、しっかりアクションするか

まず、最初に行うのが仕掛けがきちんと動くかどうかの確認です。
見える範囲で数m先にワームを投げ込み、リールを巻いて回収するときにまっすぐ戻ってくるのか、ロッドをしゃくったときにしっかり左右にダートするのかを確認します。

もし、回収時にまっすぐ戻ってこず左右どちらかに動くようならワームがまっすぐ刺さってない可能性があるのでもう一度確認してみてください。
チェックが終われば、遠投を始めます。

ナギ
ナギ
アクションが悪いと1投が無駄になっちゃうので、チェックは大事!

着底を知る

底(ボトム)を把握することは、ワインドだけでなくルアー釣りをする上で欠かせない要素です。

例をだして解説していきます。

初めて行った場所でワインド仕掛け(21g)をキャスト、ラインが出ていくが着水してから20秒経ったら出ていかなくなった。
その後、少し巻いてきたところで当たりがあった。

この例でいけば、参考になることが3つあります。

  1. 21gの仕掛けであれば着底するのが20秒前後のため、14gなら25秒、28gなら15秒ほどで着底すると考えられる。
    おおよその予想ができれば、根掛かりを避けやすくなる。
  2. 着底してから少し巻いたところでの当たりということは、ボトム(海底)にはタチウオはいない。
    次のキャストからは15秒でアクションを始めれば、効率よく探っていける。
  3. さっきまでやっていたリズムでのアクションで食ってくる。次からも同じリズムで動かせば、また当たる可能性が高い。

それらを組み合わせて考えると、『今タチウオは中層付近を泳いでいる』と予想できます。
水深がどれぐらいあり、ルアーをどの辺りを通しているのか?ということをイメージしながら探っていくのがルアー釣りでは重要です。
その参考とするため、ルアーフィッシングでは着水後のカウントは絶対するようにしてください。

着底までの秒数が分かっているなら、着底後にすぐ巻けば潮に流されて根掛かりすることを避けれますし、秒数以上にラインが出るのであれば魚が食ったまま泳いでいる可能性もあります。

また、タチウオはタナの変化が激しい魚です。
中層で当たってたのがなくなったときはタナが変わっただけかもしれないので、さっきのカウントよりも長くするか短くするか別の層を狙ってみてください。

アクションを変える

ワインドというのは、『1回ロッドをしゃくったら、リールのハンドルを1回転させながらロッドを下におろす。』が基本動作であり、これをずっと繰り返す釣り方です。
ロッドをしゃくった時に、ドラグ(ラインが切れてしまうことを防ぐために魚の引きに合わしてラインを放出してくれる機能)が『ジッ!』と鳴るように、弱めに設定してください。

そうすることでしゃくるリズムをとりやすくなり、タチウオが食ってきたときでも弾かずにスムーズにフッキングにつなげることができるようになります。

当たりがなくなった、当たりがないという場合では、少し早めのリズムで動かしてみたり、逆に遅めのリズムにするなどアクションを変えてみてください。
魚は日によって好みのリズムが違うことがあるので、その時に合ったタイミングを探すことが必要です。

初めてワインドをするとしゃくり方が分からないということもあるので、分かりやすい動画をおいておきます。
ぜひ動かし方の参考にしてください!

足元まできっちり巻く

タチウオは、堤防の際まで近寄っていることがよくあります。
実際に足元で釣れたことがあるのですが、そのとき壁から50cmあるかどうかぐらいの近さです。

足元付近をダートするのが難しいなら、ゆっくりただ巻きするだけでも大丈夫なので足元までしっかり探ってみてください。
え、こんな近くで!?と驚くぐらい近いところでガツンと来る時があります。

毎投必ず際まできちんと探っていくことで初めての1本や爆釣につなげることができるかもしれません!

初めてのワインドで価値のある1本を釣り上げよう!

ワインド釣法のタックルから釣り方のポイントを解説しました。

タチウオは共食いをするぐらいに獰猛な魚です。
ロッドの動かし方に慣れるまでは大変ですが、練習しているときにかかってくることも十分にありえる話となります。
ウキ釣りと違って自分で動かして誘わないといけないので、かかったときの達成感はくらべものになりません。

ぜひ初めてのワインドでタチウオをゲットしてください!

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