少し前まで朝方はひんやりするなぁと感じていたものが、日中には汗をかくような気温になってきました。
こういう季節の変わり目は体調を崩しやすいので気を付けてお過ごしください。
気温が上がってきて夏に近づいてくると僕の住んでいる明石では、とある釣果情報がバンバン流れてくるようになります。
そう、日本一と言われる明石ダコの船釣りが5月から解禁されるのです!
今まで陸っぱりから狙ってみたことはありますが、タコではなく地球しか釣れませんでした・・・。
美味しいタコを釣りたい!ということで、初めて船タコ釣りに挑戦してみることに。
- 船タコ釣りの仕掛けを知りたい方
- タコの釣り方を知りたい方
- 注意点や小技を知りたい方
初めてのタコ釣りで学んできたことの全てを全力で伝えるので、この記事を参考に船タコ釣りに挑戦してみてください。
船タコ釣りの仕掛けについて
そもそも明石ダコがなぜ人気なのかというと理由は2つあります。
- 潮の流れが速くて流されないようにふんばるためタコの足が短く太い筋肉質になっており食感が良い。
- 明石海峡付近では潮の干満により潮が良く動くので、栄養豊富な海水がずっと循環するためプランクトンやプランクトンを餌とするエビやカニがたくさん集まり、タコがそれらを食べることにより食味が良くなる。
明石海峡の幅が狭く、そこを海水が流れるから潮が速くなります。
そんな美味しい明石ダコを釣るために僕が使った仕掛けはこちら。
船タコ専用ロッド
シマノ タコエギXR S175です。
明石の船タコ釣りに関して調べていると水深30m以内で行うことが多いので、ロッドの硬さはSを選択。
初めてなのでタコエギBBにしようかと思いましたが、正直、タコの当たりなんて分からないだろうし、少しでも感度を上げたいという理由からUDグラスチューブラー穂先(今までのグラスソリッド穂先より約32%軽量化)が採用されたタコエギXRにしました。
しかし、結果論にはなりますが予想以上にタコの当たりは、はっきり分かります。
初めて船タコ釣りに挑戦するという方でもタコエギBBでも十分と思いました。
ハマるかどうか分からない釣り物に3万円はぶっちゃけ高いと思いますし、お試しはBBでOK!
船タコ用ベイトリール
船タコ釣りに使えそうなベイトリールがなかったのでトンジギ用に買っていたオシアジガー2000でいこうと思ってタコエギXRに装着し、試しにチョンチョンしてみました。
船タコ釣りの誘いは『小突く』と呼ばれ、ロッドを揺らすような動作を繰り返すので、タックルの重さは体に響きます。
オシアジガー2000は自重600gもあるのでロッドと合わせると約800gとなり、1kg近いものを延々チョンチョンすることになるのはキツイです。
お手頃価格で何かないか釣具屋をうろついていると見つけちゃいました。
ダイワ フネXT 150PーOP(OPはオクトパス)
要は、船タコ釣り用のリールです。
自重は約200gで、海底にへばりついたタコを強引に引き剥がすパワーがあり、60mmのロングハンドルで握りやすく力強く巻くことができます。
何より、1万円ちょいで買えるのでめちゃくちゃ助かる!嬉しい!
ベイトリールは右巻き、左巻きとあるので、購入時は注意してください。
ラインには釣り船によって指定があり変わることもあるかもしれませんが、今回お世話になったところではPE2号で、リーダーにはフロロカーボンの8号をFGノットで結束しました。
船タコ仕掛け
ここからメインの仕掛けを紹介していきますが、今年の明石船タコ釣りのルールとして変わったものがいくつかあります。
- タコエギは2つまで。
- 全方位に針が付いているものは禁止で180度まで。
360度付いている場合は180度以内になるように針をカットしてください。 - 針に返しがついているものも禁止。
年々、明石ダコの漁獲量が減っていること、釣り人が根掛かりなどで切れてしまったタコエギで漁師さんの漁具に被害が出たり、漁師さんが怪我することがありました。
数年前に根掛かりしたルアーを回収した結果、1万個以上回収できたという内容がテレビで放送されていたこともあります。
まずは、リーダーにこちらを接続します。
船タコ ツインスイベルと呼ばれるものでスナップが3つ付いており、錘とタコエギ2つを接続することができます。
そして、錘には指定された号数を使ってください。
50号の錘と言っても六角や棒、あるいは派手なカラーのものまで色んな種類があります。
たかが錘と思ってカラー付きの良さげなものを何個か買っていこうと簡単に思っていると、まさかの1個1000円近くするという。
ということで自作しましたw
無塗装の六角錘50号をホロシルバー、ゴールドラメ、オレンジラメ、グローの4種類。
集魚ホゴオモリ50号をラメ、ゼブラホロシルバー、ノーマルの3種類。
セリアの釣具コーナーの物を使えば、自分好みにアレンジができて超楽しい!
錘まで揃ったら、あとは釣れそうなタコエギを用意すれば準備完了です。
タコエギのカラー
各メーカーから様々な種類が販売されており、いざ買おうと思ってもどれがいいのか悩んでしまいますよね。
今回、初めてタコ釣りに挑戦してきて、これだけは買っておくべきというものをご紹介。
ですが、その前に知っておかないといけないことがあります。
タコは夜行性で基本的に日中は岩陰に潜んでいますが、近くを獲物である甲殻類や小魚などが通れば襲い掛かるぐらい獰猛な生物です。
また、縄張り意識が強く範囲としては5mほどと言われており、他のタコがやってくると追い出すために攻撃し、この習性を利用した釣り方がタコジグになります。
タコの口は足の付け根にあり、タコを持つときに手が口の近くにあると噛まれることがあります。
また、タコの唾液には毒が含まれており、人にも激痛を与えるので気を付けてください。
持つならタコの頭を持つようにしましょう。
タコエギには様々なカラーがありますが、タコは色盲であると考えられていて僕たちのように色の判別はできませんが、白黒の明暗の違いを理解しているようです。
どういうことか分かりやすくするために3つのイメージ図を作成してみました。
1つ目の図ですが、『船タコに行ったときに晴れていたパターン』
雲がなく快晴で絶好の釣り日和、この数日間に雨も降っておらず海が澄んでいるときは、船タコで狙う水深10m前後は太陽の光が届きやすく海底は明るい状態であると予想できます。
タコからすると周りが明るいので『白っぽい世界』で見えていると考えられるので、アピールするためには黒く見えるタコエギを使うと気付いてもらいやすくなるでしょう。
黒く見えるエギカラーとしては赤や黒のはっきりしたカラーがオススメです。
2つ目の図は、『船タコに行ったときに曇りのパターン』
雲が多く太陽が隠れてしまっていてどんよりしている、雨が降っていたこともあり濁りがあるような状態では、水深10m前後は太陽の光もなく視界が悪くて暗くなっていると予想します。
さきほどの晴れの日と考え方は同じなので、タコからすると『黒っぽい世界』のため白く見えるカラーがオススメです。
白や黄の他にケイムラやグローなんかも使うと良いと思います。
最後の図は、『船タコに行ったときにどっちつかずの天気のパターン』
晴れとも曇りとも言えず太陽が見え隠れし何とも言えない状態では、海底も明るくなったり暗くなったりを繰り返している微妙な感じになると予想してみます。
タコになった気持ちで見え方を考えると『白黒が混ざった世界』に見えるのかな?
2色のタコエギ、マーブルといったレインボー、赤黒や白黄よりアピール力を下げた緑、脂や魚の切り身などの餌を巻いたタコエギなどで試してみてはどうでしょうか。
- 海が明るくなってそうな状態なら『赤や黒』のハイアピール!
- 曇りの日や雨の日のような暗い日なら『白や黄』で気付いてもらおう!
- 微妙な状況では『複数の色が入ったもの』で探ってみよう!
その日のタコの活性によって当たりカラーも違ってくるので、2つのタコエギを赤と白を使うなど違ったカラーで探ると判別がスムーズにできます。
船タコの釣り方
仕掛けの準備が終わって、釣行日の前日に『小突く』とはなんなのかを確認してみました。
明日の初船タコのことを想像しながら釣具をニヤニヤしつつ触っていると嫁ちゃんからチベットスナギツネのような表情で見られましたが、まぁまぁいいでしょう。
棒錘が海底に垂直に接しているときの穂先はこんな感じ。
六角を使うか棒錘を使うか悩んでいて色々調べて、こちらも確認してみます。
錘を付け替えてみるとめっちゃくちゃ分かりやすくなり大きな違いはタコエギの高さで、高さが違うことにより2つの違いが出てきます。
1つ目がタコエギの動き幅です。
『小突く』というのは立っている錘を倒して、起こして、倒して・・・を繰り返すことを意味するのですが、棒錘の方が2倍高い位置にタコエギがあるので、錘を倒したときの動きが六角に比べてかなり大きくなります。
つまり、動いているものに興味を持ちやすい性質のタコに対してなら、よく動く方がアピール力が高いです。
2つ目が当たりの出方です。
これも高さがあるからこそになりますが、タコが約10cmほど浮いているタコエギを抱きにきたとき、タコエギは海底に抑えつけられることになります。
1枚目の写真のように錘を海底で起こしている状態の穂先は、すでに曲がっている状態でタコが抱いたことによって10cm浮いているタコエギがさらに沈もうとすることになるとどうなるでしょうか?
穂先がさらに深く入っていくので、目で当たりをとりやすくなります。
僕が買ったタコエギXRは穂先が軽量化されているので、このような当たりがあったときにより分かりやすくなるので感度を求めるならぜひ使ってみてください。
これらの理由からスタートからは棒錘を使ってみて、活性がイマイチ、抱いてこないなら六角に変えてみます。
明石の船タコは初心者でも釣れるのか
YouTubeで勉強、タコエギも色んな種類を用意、感度の良いロッドと軽量のリールも用意し、万全の状態でいざ出船。
クーラーボックスだけにしたかったのですが、初めてのため何を持って行けばいいのか分からなかったのとタコエギを持ってき過ぎて収まりませんでしたw
こちらのケースも収納しやすく、取り出しもしやすいので使いやすいです。
タコエギのカラーローテーションを結構な頻度でするとのことなので100均で、タコエギケースを自作しました。
時々、フックがひっかかることもありますが、パパッと交換しやすいのでオススメで、釣行後のタコエギ水洗いも簡単です。
エギングやアナゴ釣りなどライトゲーム時に使っているクーラーボックスも紹介します。
ロッドホルダーが2本と小物入れまでセットになっており座ることもできるので、ランガンに最適なサイズ感で、何より素晴らしいのがその価格!
この日は曇りであんまり明るくないので、白っぽく見えるタコエギで最初いきます。
内部に反射板が入っていて光によるアピールができるタコマスターフラッシュブースト、餌を背中に乗せることのできる蛸墨族 オンブです。
タコの大好物であるタコラードを装着してみました。
タコマスターが茶色くなっているのは、こちらの誘引剤を使ったからです。
せっかく来たからには1杯は釣りたいと思っていたので、効果があるか分からないものの買ってみましたw
スプレータイプもありましたが乗合船では迷惑がかかるかもと思ってスタンプタイプ。
仕掛けを投入し、まずはボトムをとります。
穂先は事前に練習してたので大体予想通りで、あとは波の関係で穂先が戻ったり入ったりを繰り返すような感じです。
タコは海底をうろついている生物なので、錘は絶対に海底から離さないでください。
50号の錘で水深10m前後なので、仕掛けを投入すると数秒後にはラインの放出が止まるので、着底は簡単に分かりました。
次に、小突いてみると『トン』という小さな振動が伝わってきたので、今、錘が倒れたかな?とイメージすることができます。
最後に、ロッドを上にあげてみて錘が海底を離れたときの穂先の重さを確認してみます。
錘の重さをしっかり確認しておけば、タコが乗ったとき違和感があるはずです!
最初の流しでは、とにかく感覚を覚えることに集中しました。
移動のタイミングで、早速タコエギをローテーションします。
メジャークラフトのぷりぷりタコエビのグローとタコマスターフラッシュブーストのマイワシ(ケイムラ)に変更。
曇天で海底が暗いはずなので、ケイムラとグローによるハイアピールで気付いてもらう作戦です。
仕掛けを投入し、小突いていきましょう!
トン、トン、トン・・・
違和感があったときはロッドを少し上げるような感じで聞き合わせをしてみてください。
海藻などの何かがひっかかっているときは軽く、タコなら重く感じます。
今回は少し重いままだったので、大きい幅でしっかりフッキングしてみることに。
穂先からバットまでがっつり曲がって何か重いものがかかったようです!
タコ釣りの場合は、返しが付いていないのでテンションが抜けるとバレてしまうため、ポンピングはせずに一定の速度でゴリゴリ巻いてください。
とりあえず、バレないで!ボウズは避けたい!タコを食べたい!とごちゃごちゃ考えながらひたすら巻き巻き。
するとスタッフの方が『その曲りは大きそうやね、タモちょうだい』とのこと。
上がってきた姿を見て、ビビりました。なんじゃコイツ。
船底近くまで寄ってましたが、ギリギリへばり付かれずにネットイン!
スタッフの方から測らせて欲しいと言われたので、ぜひと測ってもらいます。
動いていたのでその時点では正確な測定はできませんでしたが、改めて計測すると2.3kgでしたw
潮の流れや仕掛けの重さじゃなくそもそもが大型だったとは。なるほど。
色々考えてカラーローテーション、違和感を感じてHITに持ち込む、竿先にしっかり乗る重たさ、さらには冷凍保存もできてめちゃくちゃ美味しい。
船タコ釣りは、こんなに楽しいものだったのか!
無事ボウズを避けることができたのでカラーはそのままで次を狙いますが、なかなか当たらないので移動のタイミングでカラーチェンジしてみると300gぐらいのがHIT!
流しごとにカラーを変えるぐらいのペースで楽しんでいると友人に悲劇が。
友人、ロッドを海に落とす。
まぁ、落としたもののセーフだったのですが、出船前からの話の流れがピッタリすぎでした。
こんな話をしており、結局、僕はせずに、なぜか友人はしてました。
ロッドの落下防止に使うもので、今回の船タコでも使っている方が数人いました。
他の遊漁船で、ロッドを落としてしまったが、みんなで小突きまくってロッドを回収したという話もあるようです。
船タコ釣りは濡れた手でタックルを触ったり、疲れからロッドを落とすことがよくあるようです。
心配な方は尻手ベルトの装着をおすすめします。
笑い話をしながら引き続き数杯あげたところで終了となりました。
初めて船タコ釣りに行ってきましたが最終的には6杯釣れて、まさかの竿頭になりましたw
太陽が出たり隠れたりするような微妙な天気での釣行で、
当たりカラーは、この2つがめちゃくちゃ強く、夜光エビ+蛸墨族オンブで夜光エビにHIT、ケイムラのフラッシュブースト マイワシ+タコエビ 赤でマイワシにHITとカラーローテーションをしている中で、このどちらかに変えたら即HITが目立ちました。
陸に戻ってからタコを〆ていると手に絡みつかれて、
吸盤でこんな感じにw
明石の船タコ釣りは初挑戦でも美味しいタコが釣れる!
持って帰ったタコは必要分に切り分けてジップロックで冷凍保存することができ、1度冷凍にすることで身質が柔らかくなり、ぬめりも取りやすくなるので、オススメです。
サイズによりますが、ジップロックに入れる量を足3本、頭と足2本など分けて入れておくことで次使う時に必要分だけを解凍することができ、日付と量も書いておくと食べるときに分かりやすいです!
初めて船のタコ釣りに行きましたが、あんなに楽しい釣りとは思いませんでした。
自分でカラーのことを考えて、違和感からHIT、ロッドに乗ってくる重さを1度味わうともう1度経験してみたい!と思うこと間違いありません。
冷凍保存ができて好きなときにタコ焼き、ぶつ切り、カルパッチョなど美味しいタコ料理を味わいながら飲むお酒は格別です。
夏がハイシーズンの船タコ釣りに挑戦し、日本一美味しい明石タコを狙ってください!
美味しい思いができたので、また船タコ釣りに行ってきました。
釣れるタコエギカラーも紹介しています。