気温が下がるにつれて海水温も下がって釣り物が少なくなる時期になりました。
この時期は、釣具のメンテナンスやロストしたルアーを補充するのをメインに活動する方も多いのではないでしょうか?
釣り物が少ないだけで、ガシラやメバルといった根魚狙いのライトゲームを楽しめる時期でもあり、良型が釣れれば美味しい1品の追加にも繋がります。
そんなある日、知り合いからライトゲームのお誘いがあったので月下美人のロッドを購入し、寒い中、ライトゲームに出撃してきました。
ということで、無事にボウズを喰らい、釣り方が分からず、何が楽しいのかも分からずライトゲームは卒業しました。
・・・ちまちまアクションをする繊細なゲームは苦手です。
ちなみに、根魚は成長が遅いと言われているので、ライトゲームが得意な方は小さい個体はリリースしてあげてくださいね!
釣り堀以外で、ライトゲームが苦手な僕でも寒い時期に楽しめる釣りがないのか探してみた結果、見つけたのが『カットウ釣り』でした。
フグをひっかけるような釣り、とざっくりとした内容は知っていましたが、詳しいことは全く分かりません。
なので、ソロでどんなものか行ってきましたw
物は試しです!
- カットウ釣りって?
- 仕掛けは?
- 釣り方は?
明石でも人気になってきている釣りで、『興味はあるけど、実際どうなん?』という方に分かりやすく解説していきます。
釣り物が少ない冬にこそ、熱く楽しめるゲームがそこにはありました!
カットウ釣りについて
カットウ釣りでのターゲットは『ショウサイフグ』で、運が良ければ天然のトラフグが釣れることもあります。
ご存知の方も多いと思いますが、フグはテトロドトキシンという猛毒を持っており、フグの種類によって有毒の部位が異なり、素人が捌くのはめちゃくちゃ危険です。
しっかりとした知識と技術、フグ調理師免許を取得している方が、釣ったフグを捌いてくれるので、僕たち釣り人は食べるだけでOK!
カットウ釣りは、もともと関東周辺で楽しまれていた釣りで、少しずつ範囲が広がり、今では関西でも人気になっている釣りです。
ショウサイフグは、30~40cmまで成長し、浅い砂底に生息、甲殻類や小魚を捕食しています。
フグと言えば、餌取り名人とも呼ばれることが多く、ショウサイフグも鈎に掛からず餌だけを食べるのが超上手いです。
明石カットウ釣りの仕掛け
今回、初めてのカットウ釣りで使った仕掛けを解説していきます。
ロッド
YouTubeやネットで色々調べていましたが、どこのサイトでも言っていることが『フグの当たりがめちゃくちゃ小さい、もしくは、そもそも出ない』ということ。
カットウ釣り専用ロッドも悩みましたが、これからハマるか分からないものの専用は買いたくありません。
せっかく行くなら釣りたいので求める性能として、
- 感度が良いこと
- 他の釣りにも使えること
というワガママでしかない条件で探しましたw
で、購入したものが極鋭エギタコS-176です。
知り合いがSMT(スーパーメタルトップ)と呼ばれる性能が搭載されたエギングロッドを使っており、感度が素晴らしく良いと聞いたことがあり、ロッドの重さも96gと軽いので体への負担が少なく、感度も良さそうです。
SMTとは、しなやかな金属素材を穂先に採用することで、穂先を細くすることができ、当たりがあったときには、穂先がしっかり曲がるので魚に違和感を感じさせず、目感度が良い。
金属素材なので、当たりがあったとき、仕掛けが着底したときなど、あらゆる振動を手元まで伝えてくれるので手感度も良い。
去年から始めた船タコ釣りにも使えるので、ワガママな条件にぴったりでした。
ただ、価格が高いのだけはちょっと痛いです・・・。
それだけの価値があるかどうかは実釣で判断ということに。
船タコ用のロッドを持っているなら船タコ釣りも楽しんでみよう!
こちらの記事で、仕掛けと釣り方を解説しています。
リール
リールは、タイラバ用に購入していたものをそのまま使います。
真鯛狙いのために買っていましたが、真鯛のために使ったことが1回しかありませんw
使い心地は、軽量でも剛性さを感じる、ロングダブルハンドルなので巻きやすい、なにより巻きがめちゃくちゃ軽い!
そこまで高いわけじゃないのに全体的な性能が良くコスパ最高のリールだと思います。
ラインは、PE0.8号を200m巻いており、リーダーにはフロロカーボン3号を1ヒロほど結束しています。
色んなメーカーのPEラインを使ってみましたが、感度や強度などの違いを僕には感じることができず、値段と性能が良いバランスと思えるこちらのPEに落ち着きました。
カットウ仕掛け
最後に必要なものがカットウ仕掛けで、ショウサイフグの生息する海底まで落とせる重さの錘、フグを釣るための仕掛けが必要になります。
周りを見ていて人気だったのが、こちらの丸錘です。
潮の速さによって変更していくので10号~60号までが必要になり、丸錘を10号~30号を用意しておいて、潮がぶっ飛んでいる場合は丸錘30号を2つ付けて60号というように使用します。
また、タイラバヘッドを使っている人も見かけ、例えば120gのヘッドだと32号の錘と同じです。
丸錘よりもカラーの種類が豊富で、アピール力が違ってくるかもしれません。
好きな錘で楽しんでもらえばOKですが、
- オマツリを避けるため
- ボトムを確実にとるため
- マツって無駄な時間をつくらないため(2回目)
とにかく、潮の流れに合わせて錘の号数を変更し、オマツリをせず、常に仕掛けをボトムに置く状態にしてください。
他の船釣りでもそうですが、仕掛けが潮の流れと合っておらず、めちゃくちゃ流してきてオマツリを連発させている方を見かけることがあります。
みんなが気持ち良く、快適に釣りを楽しむためにもオマツリは絶対避けた方が良いですし、釣果にも影響するので、状況に合わせることは超大事です!
カットウ仕掛けは、これを使っている人がほとんどです。
錘60号を使う際に、LLサイズじゃないと取り付けしにくいのでLLサイズがおすすめ。
使用する釣り餌
カットウ仕掛けでは、フグを寄せるための小さい鈎が3つ付いており、ここにアルゼンチン赤海老を外れないように付けます。
僕の釣り餌の作り方を箇条書きにてご紹介。
- できるだけ安くアルゼンチン赤海老を25匹ほど仕入れます。
1匹70円ぐらいなら安い! - 赤海老の殻を剝き、タッパに海老味噌を搾り取って入れていく。
殻を置いといて、海老ダシを取り、味噌汁にしても良き!
ナギ頭をギュッとつまむと海老味噌が出てくるぞ!
- 剝き終わった赤海老の水分を抜くために塩締めにする。
これに塩を両面に振りかけてキッチンペーパーを被せて、軽めの重しを乗せて水分を抜き取ります。 - 塩締めした赤海老を一節ずつカットし、タッパに入れて、海老味噌と絡める。
これで完成です
遊漁船から赤海老15匹を用意するようにと言われることが多いですが、その日の食いによって違ってくる、ギリギリしか持ってきてなくて釣り餌がなくなることは絶対に避けたいので、いつも多めに準備していきます。
余れば冷凍して再利用すればOKです!
赤海老の塩締め方法は、こちらの記事と同じやり方です。
塩締めすることで餌が外れなくなり、餌持ちが良くなります。
最近、効果があるのかよく分からないですが、釣り用の塩を使っています。
思ったより内容量が多くて、長持ちするし、ひょっとしたら釣果に影響してるかもしれませんw
カットウ釣りの釣り方
ショウサイフグは、餌取りが上手く、当たりが分からないことがよくあり、それを釣るためにカットウ鈎で引っかけるように釣ります。
カットウ仕掛けのチラシ鈎に1口サイズの赤海老が付いており、それに気付いたショウサイフグが食べるために寄ってきます。
仕掛けが着底後、フグが赤海老を食べるわけですが、その時に活性が良ければガツガツとした当たりが出るかもしれません。
しかし、餌取り名人であるフグは、釣り人に違和感を与えずに餌だけを食べてしまいます。
それでも釣るために考えられた釣り方が『タイム釣り』というものです。
着底後、張らず緩めずのラインテンションを保ちつつ5秒ごとに1回、8秒ごとに1回、10秒ごとに1回など好きなタイミングで空合わせを入れます。
もちろん、ゼロテンションの状態のまま当たりを待つのもOKです!
もし、フグがかかれば一気に重みが乗るので、あとはテンションを抜かず、ポンピングもせずに一定速度で巻き上げてください。
海面まで上がってきたらタモを使わず、グイっとあげちゃいましょう!
1人ずつ生簀が足元に完備されているので納竿まで活かしておき、これで美味しいフグをゲットです。
- 空合わせを入れるときは、鋭く30cmほどあげるだけでOK!
大きくやってしまうと寄って来たフグが警戒して離れてしまいます。 - 乗らなくても空合わせが誘いになるので、錘をゆっくり海底へ落とし込んでいきましょう!
ドスンと落とすとカットウ鈎がチラシ鈎に絡まってしまう恐れがあります。
いざ明石カットウ釣りへ出船
釣れるかどうか期待と不安の混じったドキドキワクワク感で、最高にテンションがぶち上がります。
出船から1時間近く走ってポイントに到着しました。
錘の号数は、船長から指示があれば従いますが、それ以外は30号がメインになるようなので、まずは30号からスタートしてみます。
準備してきたものは、こんな感じ。
幅広く対応できるように無塗装の丸錘15号や20号に色を塗ったものを含めて10号~30号を何種類か、冷凍庫に転がってたカワハギ用のアサリ、海老味噌漬けと黄色に着色した赤海老の3種類の餌を持ってきてみました。
水深25mほどの所が今回のポイントで、餌を付けたら仕掛けを沈めていきます。
青物や真鯛など様々な魚に言えることですが、上から落ちてくるものに対して興味を持ちやすく追っかけながら様子見していることがよくあるそうです。
フグも同じで、海底に落とし込んでいるときについてきているかもしれません。
仕掛けを見つけたフグが追っかけてきて、着底後に餌を食べるために寄って来ている可能性があるので、一呼吸空けてから空合わせを入れましょう!
着底後に、空合わせを入れてみますが当たりはありません。
となると次に考えることは、どのタイミングで空合わせを入れるか?ということです。
着底させたまま波による上下に合わせて穂先を微調整しつつ、ラインを張らず緩めずのゼロテンションをキープします。
すると思ってたより早めに『ココココン』と当たりがあり、手元まで振動が伝わってきました!
カットウ釣りでは、当たりがあれば即合わせなので鋭く30cmほど合わせを入れると重みが乗ったので、何者かが掛かったようです。
カットウ鈎には返しがなくテンションが抜けてしまうとバレるので一定速度で巻くようにして下さい。
重みを感じながら巻いてくると姿が見えてきたので、そのままグイッと船内へご案内!
30cmぐらいの良型っぽいのが釣れました。
当たりが出るときは思ってたより分かりやすく手元まで振動が来るようです。
なるほど、オーケーオーケー。
餌を付け直して再投入し、ゼロテンションをキープ。
着底後の空合わせには反応なし。
OK、近くには寄って来ていない感じね。
と思ってたら『コンコン』当たりがあったので即合わせすると釣れましたw
合わせを入れると重みがあり乗ったはずが、途中で軽くなることがあります。
それはフグが海面に向かって泳いでいるだけなので、合わせを入れて重みが乗ったら海面まで巻き上げてしまうようにして下さい。
勘違いしてテンションを抜いちゃうと、せっかくかかってたのにバレてしまう恐れがあります。
カットウ釣り、ヤバイ。楽しい。
目標まであと1匹で、ここまで来たら釣っておきたい!
次は、どんな感じで当たりがあるのか期待しながらゼロテンションをキープしますが、なぜか全く当たりがない。
でも、餌だけはなくなります。
近くにいることは間違いないものの餌が取られてる感覚が全くしません。
餌取り名人の職人技に驚き。
残り1匹が近いようで遠く、タイム釣りをやってみようかと悩みますが、まだ時間に余裕はあるので当たりをとるゲームを続行します。
波による上下移動に合わせて完璧なゼロテンションを意識してやっていると今まで感じたことのない『・・・コツン』と小さい振動があったような気がする?
違和感があったので空合わせするとグンとロッドに重みが!
カットウ釣りでは、口周りに鈎掛かりしていれば当たりが出た瞬間に合わすことができた、完璧なタイミングでの合わせ、の目安になります。
エギング並に小さい当たりでした。
そもそも、あんな超めちゃくちゃ小さいコツンなんて分からない、タイム釣りじゃないと釣れないような気がします。
極鋭エギタコの軽さとSMTの性能による感度の良さ、これはヤバ過ぎ。感度がエグイ。
小さい当たりでも手元までしっかり振動を伝えてくれるので手感度が良く、小さい当たりをとったときの満足感がハンパない!
このロッドだからこそ当たりをとれたんじゃないか?というぐらいに最高です。
目標達成したので、次回の勉強としてタイム釣りもやってみます。
着底後、8秒間隔や20秒間隔など餌が取られるかどうか、潮の流れに対して錘の号数が合っているかどうかなど色々試しながらやってみました。
- 餌が取られない、当たりがないときは、20秒30秒置いてみたり、違和感があるまで空合わせをしない。
- 海老が白っぽくなったら餌を付け替えることで食って来ることがあり、なにより餌が新しくなることで釣り人の気分をリセットできるので集中しやすい。
明石カットウ釣りは、冬でも熱く楽しめるゲーム
しっかり当たりをとったり、タイム釣りで釣ったりで、最終的な釣果は7匹でした。
周りをキョロキョロしながら釣りをしていましたが、船長さんが言うには、この日はあまり活性が良くなかったようで竿頭が9匹、残念ながら釣れなかった方もいたようです。
今回、お世話になったのが明石 海蓮丸で、こちらでは終盤でフグの血抜きをしてくれて、名前の書かれた袋を貰って血抜きが終わったフグを袋に入れます。
帰港後、フグを回収してもらい身欠き状態まで捌いてもらうので少し待機です。
フグを可食部だけにしてもらうことを身欠きと言い、僕たち釣り人は三枚おろしにして刺身にしたり、ぶつ切りで唐揚げにしたりと調理がめっちゃ楽です!
釣りたてのショウサイフグは水分量が多く、旨味がそこまで感じられないとのことで数日寝かすのがベストと教えてもらいました。
僕は、帰ってから軽く水洗いし、キッチンペーパーで水分を拭き取り、キッチンペーパーとラップで包んで寝かせています。
その際、毎日キッチンペーパーを入れ替えて水分を抜いていくようにしました。
寝かせたフグのテッサは、プリプリした食感が残りつつも癖もなくあっさりした旨味なので、もみじおろし+ポン酢の組み合わせが超美味しい!
薄切りで造っていくので1匹でも結構な量ができて、フグと言うだけで豪華な感じがします。
冬の釣り物になるので友人との飲み会に、しれっとテッサと鍋用に出してみたらめちゃくちゃ驚いて、喜んで、美味しく食べていました。
こういうことができるのも釣り人の特権です!
釣り物が少ない冬でも釣って楽しい、食べて美味しいカットウ釣りに、ぜひ行ってみてください。